
台風シーズンの前に!屋根材に応じた台風対策について
2025/7/17 16:50

近年、日本列島に上陸する台風は大型化・強力化の一途をたどり、私たちの住まいにとって大きな脅威となっています。特に、家の「顔」ともいえる屋根は、強風や豪雨、飛来物の直撃を受けやすく、甚大な被害につながることも少なくありません。この記事では、様々な屋根材の特性を踏まえながら、台風に強い家づくりの秘訣と補強について詳しく解説します。
ぜひこれからの台風シーズンに備えるための参考にしてください。
台風が屋根にもたらす影響と事前の点検の重要性

台風の猛威は、住宅の屋根に深刻なダメージを与える可能性があります。強風による屋根材の飛散や剥がれ、そして飛来物による穴あきや破損は、雨漏りへと直結し、建物の構造そのものを弱らせる原因にもなります。
強風による被害: 屋根材が風で吹き飛ばされたり、浮き上がったりする現象は、特に屋根の端や頂上部分で発生しやすくなります。屋根の頂上部分を「棟(むね)」、切妻屋根(きりづまやね:本を伏せたような形の屋根)の側面部分を「ケラバ」と呼びますが、これらの部位は強風の影響を強く受け、取り付けられている板金が剥がれたり、固定が緩んだりすることがあります。
飛来物による損傷: 強風に乗った小石、瓦の破片、庭の物干し竿、近隣の飛来物などが屋根に衝突することで、屋根材にひび割れや穴が開くことがあります。これにより、雨水の浸入を許し、深刻な雨漏りへとつながるケースも少なくありません。
雨水の浸入と構造への影響: 屋根の破損箇所から雨水が浸入すると、天井や壁の腐食、カビの発生を引き起こし、最終的には住宅の骨組み(柱や梁などの木材)にまでダメージを与え、家の寿命を著しく縮める原因となります。
これらの被害を未然に防ぎ、最小限に抑えるためには、台風シーズンの到来前に専門業者による屋根の状態点検と、必要に応じた補強を行うことが非常に重要です。
屋根材の種類と台風へのそれぞれの特性

屋根材にはそれぞれ異なる特性と、台風に対する弱点・強みがあります。ご自身の家の屋根材を知り、適切な対策を講じることが重要です。
瓦屋根(和瓦・洋瓦)
日本の伝統的な家屋に多く見られる瓦屋根は、重厚感と高い耐久性が魅力です。一枚一枚が重く、断熱性や遮音性にも優れています。しかし、瓦がずれたり、固定している漆喰(しっくい)が剥がれたりすると、強風で瓦が飛散するリスクが高まります。漆喰とは、瓦同士の隙間を埋める接着剤のようなもので、屋根の防水性の維持や瓦の固定を助けます。特に古い瓦屋根では、瓦のズレや割れの有無、漆喰の劣化具合を定期的に確認することが重要です。
化粧スレート屋根
セメントと繊維を混ぜて作られた薄い板状の屋根材で、比較的安価に施工できる点が特徴です。豊富なカラーバリエーションがあり、様々なデザインの住宅に多く採用されています。しかしスレートが割れたり欠けたりすることがあり、すると台風時にひび割れた箇所から雨水が浸入したり、強風で屋根材が飛ばされたりする可能性があります。定期的な補修や差し替えが不可欠です。
金属屋根(ガルバリウム鋼板など)
近年、台風対策として注目を集めているのが金属屋根です。特に「ガルバリウム鋼板」は、その軽さと強靭さから、台風に非常に強い屋根材として広く採用されています。ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムや亜鉛、シリコンで構成される合金でメッキされた鋼板のことです。他の屋根材と比較して非常に軽量なので躯体への負担が小さく、強風に対しても構造的に安定させることができるのが特徴です。また薄い金属製の屋根材なので様々な形状の屋根にも施工することができます。一方で、外部からの衝撃に弱く凹みやすい点に注意が必要です。
台風に備える具体的な屋根の補強

台風による被害を最小限に抑えるためには、事前の準備が何よりも大切です。各屋根材に共通する基本的な対策に加え、特に板金工事による専門的な補強が重要になります。
屋根材の固定強化と下地の確認
瓦屋根の固定強化: 瓦のズレや浮きがないか確認し、必要に応じて瓦の並びを修正したり、ズレ防止用の金具を取り付けたりします。劣化した漆喰は剥がれやすいため、補修または詰め直しを行い、瓦の固定力を高めます。
化粧スレート屋根の補修: ひび割れや欠けがあるスレートは、そこから雨水が浸入しやすいため、シーリング材(隙間を埋める充填材)での補修や、新しいスレートへの差し替えが必要です。強風で浮いている箇所がないか確認し、適切な釘打ちやビス留めで固定を強化します。
金属屋根の固定再確認: 金属屋根はビスやボルトで下地に固定されています。これらが緩んでいないか、錆びていないかを点検し、必要に応じて締め直したり、より耐久性の高いステンレス製のビスに交換したりします。特に、屋根材の継ぎ目の重なりが密であるか、浮いている箇所がないかもチェックし、強風による煽りを防ぎます。
下地の強化: どんな屋根材であっても、それを支える野地板が弱いと、強風時に屋根材が剥がれやすくなります。野地板とは、屋根の骨組みの上に張られる板材のことで、屋根材を直接支える土台です。築年数の古い家屋では、下地の腐食や強度の低下が見られることがあります。必要に応じて、野地板の増し張りや交換を行い、屋根全体の強度を高めることが重要です。
防水シート(ルーフィング)の確認
屋根材の下には、最終的な防水層として防水シート(ルーフィング)が敷かれています。これは、万が一屋根材が破損しても、一時的に雨水の浸入を防ぐ「最後の砦」となる重要な部材です。点検時には、防水シートに破れや劣化がないかを確認し、もし損傷が見つかれば、部分的な補修や屋根全体の葺き替えを検討する必要があります。特に化粧スレートや金属屋根のお住まいの場合、既存の屋根材の上に新しい屋根材を施工するカバー工法を行う際にも、既存の防水層の状態を確認することが大切です。
板金部の徹底的な点検と補強
屋根の様々な部分に取り付けられている板金は、雨水の浸入を防ぐ「雨仕舞い(あまじまい)」の要です。台風時には特にこれらの板金部材が強風の影響を受けやすく、浮きや剥がれ、破損が発生しやすい箇所です。
棟板金(むねばんきん): 屋根の頂上部分に取り付けられる金属製の部材です。屋根材同士の接合部を雨水から保護する重要な役割を担っています。台風の強風で最もダメージを受けやすい箇所の一つであり、浮きや剥がれがないか定期的な点検と、必要に応じたビスの増し締め、あるいは下地の貫板(ぬきいた:棟板金を固定するための木材)が腐食していないかを確認し、交換することが必須です。貫板が腐っていると、ビスが効かずに棟板金が飛散する危険があります。
ケラバ板金: 切妻屋根の側面(破風板:はふいたを覆う部分)に取り付けられる板金です。ここも風の影響を受けやすく、剥がれると下地が露出し、雨漏りや木材の腐食につながります。しっかりと固定されているか確認し、浮きがあれば補修が必要です。
谷板金(たにばんきん): 複数の屋根面が交わる谷状の部分に取り付けられる板金です。雨水が集中して流れるため、ここが破損すると大量の雨水が浸入する恐れがあります。ゴミの詰まりがないか、破損や穴あきがないかを確認し、適切に補修することが重要です。
水切り板金: 外壁と屋根の取り合い部分や、サッシの上下など、雨水が侵入しやすい箇所に取り付けられ、適切に雨水を排出する役割を果たします。これらの板金が歪んだり外れたりしていないか確認します。
これらの板金部分は、屋根全体の防水性と耐久性を左右する極めて重要な要素です。
また平林建築板金では様々なリフォーム工事を行なっております。詳細はこちらをご確認ください。
雨樋(あまどい)の点検と清掃
屋根に降った雨水を効率的に排水する雨樋も、台風対策には欠かせません。雨樋に落ち葉やゴミが詰まっていると、雨水が溢れて外壁や軒裏にダメージを与えたり、雨樋自体が破損・脱落したりする原因となります。台風が来る前には、雨樋の詰まりを解消し、破損や取り付け部分の緩みがないかを確認しましょう。
周辺環境の整備
屋根だけでなく、以下のような家屋の周辺環境も台風対策には重要です。
樹木の剪定(せんてい): 庭の木が大きく育ち、屋根に接触する恐れがある場合は、強風で枝が屋根に当たり損傷を与える可能性があるため、事前に剪定を行うことをお勧めします。
飛散物の固定・収納: 物干し竿、植木鉢、ポリタンクなど、庭に置かれた強風で飛散する可能性のあるものは、屋内にしまうか、しっかりと固定しておくことが大切です。
まとめ
近年激甚化する台風から大切な住まいを守るためには、事前の屋根の台風対策と補強が不可欠です。
屋根は台風による被害を受けやすく、雨漏りや構造へのダメージにつながるため、早期の点検と対策が重要です。
瓦屋根、化粧スレート屋根、金属屋根など、屋根材ごとに異なる特性を理解し、それぞれに応じた補強を検討することが大切です。
屋根材の固定強化、防水シートの確認に加え、棟板金やケラバ板金といった板金部材の点検と適切な補修は、雨仕舞いを保ち、強風による被害を防ぐ上で極めて重要です。
「平林建築板金」は、板金工事の専門家として、お客様の屋根を台風から守るための最適な点検、補強、そして修理・交換をご提案し、安心を提供します。
台風シーズンを迎える前に、ぜひ一度専門業者による屋根の点検をご検討ください。
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